婦人科外来とは
お悩みから妊娠に関すること、子宮、卵巣、卵管、膣などに見られる症状や良性疾患から悪性疾患までの病気、ホルモンバランスの乱れからくる更年期障害、また子宮が下がる骨盤臓器脱など女性特有の疾患や症状を全般に扱う診療科です。
診察の際には、医師が問診票を確認するほか、内診が必要な場合もあります。内診に抵抗がある患者さまには、お腹の上から超音波検査を行うことも可能です。お気軽にご相談ください。
以下のような症状がある場合は、お気軽にご受診ください。
- 月経の異常、月経前の症状での悩み
- 不正出血がある
- おりものの異常
- 外陰部のかゆみ、腫れ、できもの 等
- 性交渉での悩み
- 乳房の異常
- 更年期障害(ほてり、発汗、不安、気分の落ち込み、不眠 等)
- 膣内違和感
- 頻尿、尿漏れ
- 便秘
子宮頸がん
子宮頸がんは、女性特有のがんの一つで、主に子宮頸部の細胞に発生したがんです。主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染であり、性行為を通じて感染が広がることがあります。子宮があれば全年代の女性が発症する可能性がある病気ですが、近年では子宮頸がんの発生率は20~30代で急増している傾向にあります。
子宮頸がんは、初期段階(微小な浸潤状態)では症状がわかりにくく、定期的な検診が重要と言われています。早期発見し治療を受けることができれば治療成績は比較的良好で、Ⅰ期での5年生存率は90%を超えます。各自治体が公費で子宮頸がん検診を実施しています。定期的に健診を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
子宮体がん
子宮体がんは、子宮体部の内膜に発生するがんです。女性ホルモンのエストロゲンが関係しており、通常、閉経が近い、閉経になった50代の女性に多く見られるがんです。近年では30代・40代の若い方にも増加傾向にあります。糖尿病や高血圧、肥満の方、未産婦、乳がんを発症した方も子宮体がんが発症するリスクが高いと言われています。また最近では遺伝疾患により生じることも言われております。
このがんは、子宮内膜細胞の異常増殖によって引き起こされ、主な症状として不正出血があります。しかし、月経不順と間違えて放置されがちです。特に閉経後に不正出血が見られた方は子宮体がん検診を受けることを勧めます。
卵巣がん
卵巣がんとは、子宮の両側に位置する卵巣に発生した悪性腫瘍のことをいいます。40代から発症者が増加し、50~60代が最も多くなります。
卵巣がんは初期には症状がほとんどなく、気づかれることが少ないです。がんが進行すると、腫瘍が大きくなりお腹が圧迫されることにより、お腹のはりや食欲不振、便秘、頻尿などの症状が現れることがあります。診断には採血や超音波検査を用いますが、子宮がんとは異なり、早期に見つけることが難しいと言われております。また最近では乳癌と卵巣癌になり易い、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)も注目されています。上記症状を疑われた場合や、身近な方に乳がんや卵巣がんの方がおられるなど、気になる場合は受診してください。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮に発生する良性の腫瘍です。女性の3人に1人はなると言われ、最も多い婦人科疾患の1つです。主な症状は、月経過多や月経過長、それに伴う月経痛です。子宮筋腫は悪性腫瘍(がん)ではなく良性ですが、女性ホルモンに反応して大きくなる性質があります。腫瘍が増大し周辺臓器を圧迫することで腰痛、骨盤通、頻尿、排尿困難などの症状を引き起こすことがあります。症状は子宮筋腫が発生する場所によって異なるため、発生箇所や腫瘍の大きさによって治療法も異なります。